「デザイン振興政策アーカイブ」は、収集された資料文献をもとに、行政や振興活動の歩みを振り返り、そこから今日の課題を探りだす研究活動を展開してます。この「研究フォーラム」では、「アーカイブ」が中心となっておこなった、1)デザイン振興活動を担われた方々へのインタビュー調査、2)学会への発表や学術論文の執筆、3)研究セミナーやシンポジュームの開催等の成果を、順次掲載していきます。
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2022.05.17 江坂恵里子氏のインタビュー記録(2022年5月17日)「デザイン都市・名古屋のプロモーションの流れ」。 20名古屋市は1989年の世界デザイン博覧会を契機に、デザイン都市をテーマに都市政策を推進しております。江坂氏は2009年以降、国際デザインセンター、そして名古屋市文化推進課で、デザイン都市の推進に携わってこられました。このインタビューでは、江坂氏の記憶と経験をもとに、ユネスコ創造都市ネットワークの活動をはじめとし、文化芸術・国際交流の面からデザイン都市・名古屋の流れを振り返るとともに、最近の動向、課題についてもお聞きいたしました。
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2022.04.01 「デザイン振興政策アーカイブ」は、蓄積された資料文献をもとに研究活動を進めていますが、その最初の学術論文(論説)「デザイン行政開始の経緯とその政策理念」が、2022年3月31日発行の「芸術工学会誌No,84」に掲載されました。この論説は、青木史郎と黒田宏治を中心に執筆されたもので、1958年に発足する通商産業書デザイン課の設立経緯をたどりつつ、これまで輸出品の模倣防止にあるとされてきた日本におけるデザイン行政の出発について、その背景には、インダストリアルデザインの導入によって、国際的な競争力を生み出そうとする戦略的意図があったことを明らかにしていきます。
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2022.03.01 2022年1月に金沢と山中地区で実施したインタビューの記録を、「日本デザイン政策の研究アーカイブの構築研究報告」の別冊をして収録しています。
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2022.03.01 「日本デザイン政策の研究アーカイブの構築研究報告」は、黒田宏治が研究代表となり進めてきた、JSPS研究補助 基礎研究(C) 課題番号18K11961の研究成果をまとめたもの。この研究は、「デザイン振興政策アーカイブ」構築の基礎となったもので、報告書では、アーカイブの構想と概要、収録文献一覧を紹介するともに、文献等へのより深い理解を得るために実施した関係者への証言記録10件とこれに関連するシンポジューム等の記録も収録しています。そして報告書は今後について、「デザイン振興政策アーカイブ」が「関連する研究者等の研究交流のプラットホームとなることを期待きたいすると述べます。
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2022.02.21 松山治彰氏インタビュー記録(2022年1月10日)「石川県におけるデザイン振興を巡って」 石川県は全国に先駆けて、デザインの産業や社会への浸透をめざし、1984年に「石川県デザインセンター」を設立しました。松山氏は、工業技術センターのデザイン系職員として、長年にわたり同センターの事業を推進されてきました。このインタビューでは、松山氏の経験をもとに、国や県が中心となって実施された様々な振興政策について時代的変遷を振り返るともに、夫々の政策の効果や課題、さらには地域におけるデザイン振興の役割についてお聞きします。
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2022.02.01 川上元美氏インタビュー記録(2021年12月23日)「飛騨高山と旭川の家具デザイン振興に携わって」。日本を代表する家具デザイナー川上氏は、地域の家具インテリア企業とも深くかかわられています。このインタビューでは、「地方産業デザイン開発推進事業」として1981年に実施された飛騨高山地区でのデザイン開発を担当された際の状況をお尋ねします。そしてほぼ同時期に始まった北海道旭川との関わりについて、「カンディハウス」とのデザイン開発や旭川「国際家具デザインコンペティション」の審査員を継続して努めら経緯を振り返りつつ、地域の産業とデザインについての知見をお聞きします。
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2022.01.17 釜堀文孝氏インタビュー記録(2021年12月17日) 「1980年の小城羊羹のパイロットデザイン開発を振り返る」。釜堀氏は「佐賀県工業技術センター」のデザイン系職員として、地域産業の振興を長年担当され、現在では九州産業大学で教えられています。釜堀氏は、センター入所早々に、佐賀県小城地区を対象に1980年にでおこなれた「地方産業デザイン開発推進事業」を事務方として支えます。このインタビューでは、この事業が地域に与えた影響等をお聞きするとともに、それ以降に展開されたデザインを通じて地域産業振興を図ろうとする政策を振り返り、地域の発展に果たすデザインの役割と課題についてお聞きします。
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2021.11.29 2021年11月27日に開催された「芸術工学会・2021年秋期大会(オンライン開催)」において、青木史郎は、「デザイン政策アーカイブ」の研究活動の一環として、「地域産業へのデザイン導入を図る2つの政策とその意義」を発表ました。この発表は、1975年から86年にかけて実施された「地方産業デザイン開発推進事業」と、1958年のデザイン行政開始段階に企画され、その後も継続実施されていた「日本優秀商品開発指導事業」と対比させながら、その相互関係を論じています。
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2021.11.29 2021年11月27日に開催された「芸術工学会・2021年秋期大会(オンライン開催)」において、黒田宏治は「通産省デザイン課とインダストリアルデザイン(研究ノート)」を発表しました。1958年に通産省にデザイン課が設置されましたが、摸倣対策に加えて産業界へのインダストリアルデザインの導入をめざしたと考えられます。デザイン課設置にあたり通産省はインダストリアルデザインはどのように捉えられていたのかを、当時の関連の記録・記述を辿るなかで検討しています。
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2021.11.15 「デザイン学会・プロモーションデザイン研究部会」は、デザインをプロモーションという視点から捉えることで、デザインについての様々な課題を発掘していこうとする研究サークルです。2021年11月6日に開催された「デザイン学会秋季大会(オンライン開催)」の「オーガナイズセッション」に、「デザインの行政、行政のデザイン」というテーマで参加、研究部会主査の青木史郎から趣旨説明、黒田宏治から「デザイン政策アーカイブの構築」について報告。日本デザイン振興会の秋元淳氏を招きし、グッドデザイン賞が推進している課題探索プロジェクト「フォーカス・イシュー」についてその意図と経緯とお聞きました、