「デザイン振興政策アーカイブ」は、収集された資料文献をもとに、行政や振興活動の歩みを振り返り、そこから今日の課題を探りだす研究活動を展開してます。この「研究フォーラム」では、「アーカイブ」が中心となっておこなった、1)デザイン振興活動を担われた方々へのインタビュー調査、2)学会への発表や学術論文の執筆、3)研究セミナーやシンポジュームの開催等の成果を、順次掲載していきます。
- 2021.08.06 北海道旭川市は、1970年代当初からデザインの導入をはかり地域振興に大きな成果をあげてきました。この「公開インタビュー」は、を旭川市の行政、基幹産業の一つである家具産業、そして旭川に根ざした教育研究機関の活動を俯瞰することで、その歩みをとらえようとしたものです。なお、これは2020年5月に行われたユネスコの「デザインシティ」登録認定を記念する事業の一環として企画しましたが、新型コロナ禍のため、2021年秋に開催を延期しています。
- 2021.06.11 2021年6月、「韓国・産業デザイン関係法」日本語翻訳資料公開。韓国は50年以上にわたり、デザイン行政と振興政策を体系的組織的に進めてきました。その大きな特徴は、 通称「産業デザイン法」によってその活動か定められ、国の資金を投入して継続的に発展してきたことです。 この法律は、1973 年に制定され、以降 1991 年、1997 年、2019 年と3回にわたり大きな改定を続け、 同国のデザインイン行政と振興活動に進むへき指針と法的根拠を与えてきました。 「デザイン振興政策アーカイフ」では、日本のデザイン行政と振興を対比的に理解するうえでも重要となる と考え、この法律を日本語に翻訳紹介します。
- 2021.05.20 青木史郎インタビュー記録(2021年3月29日)「70年代前半の日本産業デザイン振興会」公開。青木史郎氏は1972年に日本産業デザイン振興会に就職し、常務理事を経て退職まで50年近くも振興会でデザイン振興の仕事に従事してきました。振興会はデザイン政策の実施に重要な役割を果たしてきましたが、研究対象としてみると設立前後の記録が少なく、そこで設立当初の活動について記憶を掘り起こしお話しいただきました。
- 2021.01.20 青木史郎氏インタビュー記録(2020年6月27日)「89デザインイヤー運動に伴走した5年間を振り返る」公開。’89デザインイヤーは、通商産業省が主導したデザイン運動です。青木史郎氏は、この’89デザインイヤーの企画段階から終了後のフォローに至るまで、事務方のアンカー役を担いました。そのような経験から、当時の記憶を掘り起こして、’89デザインイヤーの始まりから終わりまで、見聞きし体験した事象を中心に、順を追ってお話しいただきました。
- 2020.11.30 2020年11月28日に開催された「芸術工学会・2020秋期大会(神戸芸術工科大学)」において、青木史郎は、アーカイブを活用した研究として「89 Design Year 運動と地域への波及効果」を発表しました。ここでは、ICSIDのデザイン会議が名古屋で開催されたことを契機として、通商産業省が提唱し全国的に展開されたデザイン運動「89デザインイヤー」の概要と、それを期に地域自治体が取り組んでいくデザイン活動の展開について述べています。
- 2020.11.30 2020年11月28日に開催された「芸術工学会・2020秋期大会(神戸芸術工科大学)」において、黒田宏治は「デザイン振興政策アーカイブの構築」を発表しました。黒田宏治と青木史郎は戦後日本のデザイン振興政策に関わる資料(答申、報告書、説明資料等)の収集整理を進めてウェブ構築の検討を進めてきました。発表の中では、そこに構築された「デザイン振興政策アーカイブ」の概要・進捗・特性について述べています。
- 2020.11.24 2020年11月24日、芸術工学会2020夏期大会「行政とデザイン」実施記録発行。2020年8月に開催されたシンポジウム「行政とデザイン」についての発表・討議内容をまとめ、芸術工学会誌 No.82.Mar.2021に発表しました。ここでは、第二部のKun-Pyo Lee 香港理工大学デザイン学院長の基調講演「豊かな社会を創るために」、第三部「政策をデザインする時代」に登場した橋本直樹「行政の立場からみたデザインの可能性」、中山育英「政策をデザインする潮流と実践」、横山和人「デザイン都市神戸の可能性」の発表・討議をはじめ全文を収録しています。
- 2020.08.03 2020年8月1日、芸術工学会2020夏期大会「行政とデザイン」開催。東京ミッドタウン・デザインハブを拠点にして、「行政とデザイン」をテーマに芸術工学会2020夏期大会・シンポジウムを開催しました。ここでは、「デザイン振興政策アーカイブ」の概要紹介、20世紀後半に展開されたデザイン行政を展望するともに、政策立案や行政のあり方をデザインしていこうとする新しい取組を紹介することで、デザイン行政と振興政策の可能性を俯瞰的にとらえようとしています。
- 2020.05.20 山村真一氏インタビュー記録(2020年3月10日)「地場産業振興とデザイン-JAPANブランドを中心に」公開。1973年の事務所設立以来、今日に至るまで各地域で地場産業関係の仕事に携わってこられた山村真一氏に、地場産業振興とデザインについてお話しを伺いました。当日は、JAPANブランド・有松絞りでの産地プロデュースのご経験を中心に、自分史的に地場産業デザイン関係の仕事の流れを振り返るかたちで、幅広く情報提供をいただきました。
- 2020.05.01 日高一樹氏インタビュー記録(2020年3月23日)「1989年のデザインイヤーを振り返る」公開。通産省の担当者として1989年のデザインイヤー運動を推進された日高一樹氏に、デザインイヤーの諸活動や成果についてお聞きしました。当時各地域で実施されたワークショップ事業の回想にはじまり、Gマーク事業の変遷、2000年以降のデザイン政策、昨今の新型コロナ禍の中のデザインのあり方まで、幅広く伺うことができました。